DIARY

パラダイス銀河

#051

二重スリット実験から量子テレポーテーションの話。薄気味悪い遠隔操作とかなんとか。まあよくわからない。この社会を実際に作っているのはこう言う人たちなので任せる。アカデミックにいる連中に任せて、テレポートの装置が日焼けマシンぐらいの大きさにな…

#050

最近髪を染めたらしいけれど、前の真っ黒な髪がすごく似合っていたのでなんだか残念だった。しかし僕は今度黒に戻した時に明るい色のこの人を惜しんだりするのだ。どこかで必ず終わることは明らかで、それでも今この瞬間同じ時間を過ごすというのはどいうこ…

#000 何も知らない 

何か勘違いしている。 個人経営の喫茶店。古いジャズが流れている。古い友人と新しい友人。数人で話をした。話をするといつも周りの反応に違和感がある。細部まで専門的に、科学や学際的な知識をもってその上で結局は何もわからない的なことを言っているのだ…

#049

それはいわば降伏の証なのだ。僕は白旗を振りながら景色を見ている。 虫の息程度に僕の中で理解への欲は流れている。確かにまだある。しかしもうそれに固執したりすることはない。僕はそれを数ある一つのファンクションとして、ただ受け入れている。生殖を諦…

#048

何もかもをめちゃくちゃにしてしまいたいと言う衝動に襲われる。襲われている。人間関係も、社会的ななんとやら、知らない。腫れ物を触るように大事に人生を扱ってきたと思う。慎重に、間違った道を選ばないように後悔しないようにじっくり選んで決めていた…

#047

プラトニックなんてクソ食らえと朝の四時に叫びながらベッドに飛び込んだ。安いスプリングが軋む音が同情の悲鳴に聞こえる。僕はちゃんと話を聞いていた。日付が変わるちょうどその頃にノックもせずズカズカと入ってきた。 恋こそは他のいかなる世俗のものに…

#000 お家につくまでが、

久しぶりに遠出をした。 無数のジャンクションをくぐり抜け海まで。2005年あたりに流行った曲が車内で永遠とループしている。どうでもいい話などないし、大事な話もこの世にはないと思うのだけれど、それでもやっぱりどうでもいい話をした。チーズバーガーに…

#046

悪そのものなどというのは字面だけの話かもしれない。僕は生きている意味や物事や論説の整合性に全身全霊でシリアスになれるほど誠実ではないらしい。汚いものはできるだけ見たくない、弱い人間からは目を背けたい。矛盾しているようなものごとに関してはさ…

#045

今日は人生を進めるぞ!と思って掃除をして新しい服を着て外に出て、といい感じだったけど午後は人が来てセックスして終わった。全部どうでもよくなったりしてない。でもまた何にも進まなかった。シーツ変えてシャワー浴びて気がついたらまた日付が変わりか…

#044

3層の現実を感じる ある種のフォント、ある種の音楽。は一番表面的 ある種のフォント、ある種の景色は、その次。 長い時間かけて一つに触れていると、一番下にある層の現実が顔を出したりする。 ハイになるのはチーティング。

#043

ここではないどこかの風景を思い浮かべる。その場所ではなく、その場所にいる自分に憧れたりする。しかし僕の体が今あるこの場所よりは説得力はない。だからここしかない。なんて言ってみるのは気が狂っているだろうか。この場所こそが最善でここより良いと…

#000 Jazz

ジャズ。 牛や豚や鳥が焼かれて煮られて揚げられたりしている。通りは米と野菜でごった返している。変わった匂いがする。喉がキュッと締まるような匂いがする。汗をかいた大男が何人も横を通り過ぎていく。暑い。ほとんどが男。視線がものすごい速さで流れて…

#042

ミニチュアダックスに異常に懐かれたり、急に胸毛が生えてきたりした。 起きてすぐ胸元をのぞいて見たらさっぱり生えていなかった。部屋には僕しかいない。妙に片付いている感じ。 「君は目からわらった方がいいね、うん。顔上半分引きつってるんだよ。」お…

#041(2)

人生のどこかに死のピンが必ず打たれることを考える。死ぬこと自体が不可解なのではなく、死までのこのギャップの正体こそが僕を捉えていたものだと言えるかもしれない。死は言葉と言ってしまえばそうなのだが、脳みそが止まるまでの期間はそこにあって、脳…

#041

I ain't give a fuck anywayと呟いて僕の顔を思いっきり殴った6.4フィートに街で偶然合った。大学一年の冬僕がそいつの彼女と寝たことがバレてアパートまで殴り込みに来た。ドアを開けた瞬間この男が何をしに来たのか一瞬でわかった。弁解などする余地はなく…

#040

JPOPのオルゴールアレンジが永遠と流れている中華料理屋で、読み方もわからないような丼ぶりを指差して頼んだ。テーブルに敷かれた透明のビニールがウィンドブレイカーの袖にひっついたりする。奥の席に座る客の頭上で回る扇風機の風がギリギリ届いてこない…

#039

人間の数だけ差異があるし何もかも全くわからないという気持ちで朝を迎えました。いい気分ではない。死ぬまで納得できるはずはないのに、そのふわっとした把握だけを求めて生きている。シーシュポス。山の麓に来るたび、この過程には意味があると信じ込まさ…

#038

ところで今日は、"You're an earthly comfort" こういう表現に出会った。雰囲気。 暑さが少しずつましになってきて、空の青さが彩度を取り戻している。この一週間で世界がコントラストを無理やり上げた感じにえらく雑な作りだなと言いたくもなるけれど、涼し…

#037

考えるべきことは何か考えているうちに考えられなくなって、自分の人生は手のひらからこぼれ落ちて僕とは関係なく進んでいく。喜怒哀楽も、義務感で無理やり焚き起こしている感じがあるし、笑うべきところで笑って、泣くべきところで泣くという訓練をどこか…

#036

マリファナで少しハイになっているので書ける。書けるぞ。音楽はジョニーグルフィンのOlive Refractionsを大音量でかけている。音楽を聴いていても楽器一つ一つが独立して聞こえてきたり、ただのハンバーガーがめちゃうまく感じたり、セックスが異常に気持ち…

#035

欲を追いかけているうちにある種の感覚を忘れる。存在を疑ったり、生きていることがわからなくなったりすることが少なくなってくる。しかしまた、欲を満たす行為やあらゆる作業の先にその感覚が戻ってくる。というのを感じている。-

#034

本来進めるべき作業から逃げてキーボードをはじいている。そのうちにうまい言い訳が浮かぶのを期待するけれど、何もかもをやめることの正当な理由はいつまでたってもやってこない。 8月31日を過ぎても終わらない宿題を抱えたまま学校へいくことになった。僕…

#033

「ねえ、だから言ったでしょう。」 「いけると思ったんだよ今度こそは。」 「毎回言ってるでしょ、時間の無駄だって。」 「五階だとダメなのかな。」 「高さの問題じゃないのよ、あなたは三十階から落っこちても死んだりしないわ。三階以降は死に対して漸近…

#032

僕が狂わないのは、狂ってしまえないのは、夜寝て朝起きるから。今日と昨日が繋がっていないから。狂った夜のぼくは次の日また繰り返すまで、始まらない。リズムに飼いならされた僕の狂気は、幻想のまま終わる。全てのしがらみと嘘っぱちを引き剥がして、残…

#031

夜歩いてコンビニまで行く途中、僕の生活はこの先にある何か理想の生活や、そこにいる自分というのを目指しているということと、今現在しかありえないということを。変えるのは今この瞬間で、操作できるのも目の前の現実だけしかない。小学生の日記みたいな…

#030

全てがわからない。あいも変わらず、全てがわからない。わからない。わからなさがそれぞれ異なる色で目の前を行ったり来たりしている。蛍光色のわからなさがデスクトップの縁からやってきて、瞼を閉じても点滅する光はミゾオチまで落ちてきて、僕はまた気分…

#029

力が加わってこないのは、未練がないからだと思っているけど僕は、食事をして喜んだり、クーラーの効いたショッピングモールに入るたび緩んだりしている。黙っている。 アルコール。たまにいく店に入る。坂口安吾を読んでいる人がいる。キャスターを吸ってい…

#028

目の前のコップが目の前のコップであることにおいて混乱しないことと同じようには、僕の生活が僕の生活であるということで爽やかな一致感はやってこない。言語が正しく物事を記述しうる道具かを言葉によって議論することから一切の納得がやってこないように…

#027

もう少しで夜が明ける。寒い。 空港の椅子で寝るのはなかなかこたえる。軟体動物さながら体をくねらせて落ち着く場所を探したけれど結局ダメだった。ジーンズを床に引いて、圧縮袋に入った服を枕にして、空港の床で寝る。午前3時。フライトまでまだ5時間あ…

#026

アムトラックの列車に揺られながら遅すぎるインターネットの中をフラフラとしている。車窓から見える景色はここ2時間ほどずっと変わらない。時たま馬や牛が放牧されているのを見るくらいで、草木もなく砂漠の入り口にも似た殺伐とした風景がずっと続いている…