DIARY

パラダイス銀河

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

#018

一人の人間が死ぬ時、近い人間が死ぬ時、その人の表情やそこを覆う景色を 例えばその人がこぼした一字一句も全部、忘れないように書き留めたりする。僕はその人の痕跡を残そうとしている。 口角がだんだんと下がっていくのを見ている。目尻が細くなって、表…

#017

空のビール瓶を通って彼女の体まで、太陽の光が届いている。 明け方なのか、夕方なのか。青のカーテンが揺れている。 ずっと前にこぼした言葉が僕を通り抜けずに残っている。 「君は自分の中に溜まったものを切り売りしている。それはいつか底をつく。」 そ…

#016

いつの間にか考えることをやめる。やり尽くしたという感じではなくて、見失ったといったほうがいいし、初めから真っ当に考えられることなど無かったというべきかもしれない。とにかく、問いの螺旋から降りてしまった僕の世界には、ほとんど何も残っていない…