DIARY

パラダイス銀河

#042

ミニチュアダックスに異常に懐かれたり、急に胸毛が生えてきたりした。

起きてすぐ胸元をのぞいて見たらさっぱり生えていなかった。部屋には僕しかいない。妙に片付いている感じ。

「君は目からわらった方がいいね、うん。顔上半分引きつってるんだよ。」お腹が空く。ラーメン屋に行こうと思ったのにカップ麺を開けてしまった。喫茶店に行こうと思ったのにインスタントコーヒーを淹れてしまった。今日が人生の岐路だったかもしれない。外に出ていれば思わぬラッキーが、はたまた交通事故で死んじゃうとか。別のおはなし。

日本にいる叔父からレコードが届く。好みを分かっているというか、僕が叔父に影響されているのだろう。「手紙ありがとう。こちらからは時季ものを送っておきます。体に気をつけてください。」ちょっと高価そうなノートの切れ端に書かれていた。ゆっくり聴いている。曲を聴いているというより、旋律がきっかけとなって僕を記憶の中に沈めて行くという感じがする。キザ過ぎたろうか。キザってもう誰も使いませんか、使いませんね。

短調のナンバーを聞くたび、この人はこの時いい気分だったんだろうなと思って、少し嬉しくなる。

 

ワッフルを作るのが恥ずかしい。食堂でご飯を食べるとき、席から少し離れたところにあるセルフのワッフルメイカーで作っていると、なんか恥ずかしくなった。大の大人が可愛いものを、とかそういうことじゃなく、この人は今明らかにワッフルを欲しているというのが明確すぎること。「ああ自分は欲をさらけ出してしまった、にもかかわらずそれはワッフルを食べたいという並すぎるもしくはそれ以下のスケールだった。」という感じ。

 

食器をゆっくり置くこと、思っているよりずっとゆっくり話すこと。思っているよりずっとゆっくり動くこと。姿勢よく歩いたり、座ったりすること。腰が大事でしょう。目があえば笑うこと。名前で呼ぶこと、話を聞くこと。は今日のメモ。おしまい