DIARY

パラダイス銀河

同じように始まって同じように終わった一日が、眠りにつく一瞬前に今までとは違う重さを帯びて、走馬灯となり、僕は夢の中にいるのか目が覚めているのかわからなくなった。窓から差す光が床まで届いている。黒い髪、痩せた頰、白いテーブルを通る。

角を曲がって姿が見えなくなるまでのほんの少しの時間が、コマ送りの映像のようになって繰り返し再生されている。両脇を通り過ぎていく人の流れ。こちらを怪訝そうな顔で振り返る数人。駅のアナウンスが知っている誰かの声で頭の中で反芻する。床にへばりつくように重たいブーツを持ち上げながら帰った。坂の向こうには街の光が夜の雲に写っているのが見える。喧騒に飲み込まれて僕は画角のどこかに消える。遠くからそれは見えない。近付き過ぎてもそれはやはり見えない。