DIARY

パラダイス銀河

#083

晴れている。洗濯をした。ベランダから、スクールゾーンと書かれた坂が見える。朝は小学生、夜は大学生の笑い声が聞こてくる坂。タバコを吸って真上を見ても太陽が眩しくないのは昼を過ぎているからだ。午前中だとこの位置から見上げれば眩しい。坂を登る人。お徳用サイズのトイレットペーパーが彼女の足取りを重くしている。マラソンをする夢を見た。誰も見ていないところでショートカットをした。

今日はいい日だと思う。街が鮮やかになっている。僕は何もしていないのに、景色が勝手に綺麗になっている。そういうのが好きだ。僕は何もしていないのに勝手に何かが始まろうとしているような。このままずっと昼でいいと昼には思うし、このまま朝が来なければいいと夜になると思う。何もかもがこのままでいい。このままであってほしい。

難しい顔。牛乳を選ぶ。タバコを選ぶ。ベッドに入る。難しい顔をして部屋を片付ける。ゴミの日を逃してしまった。