DIARY

パラダイス銀河

#079

恋をすると人は凡庸になると行った主人公。憲法改正。谷川俊太郎。

様々な字体。他人の自意識。中央線。知らない曲ばかりのレコードの棚。トマトジュースとウォッカ。タバコ。未成年。エスカレーター。渋谷。脚

日付が変わる頃まで空いている喫茶店は、私鉄だけが通るここでは少ない。全然顔が良くない女店主が無愛想に席に案内した。アイスコーヒーを頼んだ。タバコが吸いたかったけれど灰皿がなかったので吸わなかった。喫茶店に訪れた人が書くノートにはタバコとコーヒーが良く合うと書いてありそこで吸ってよかったのだと知った。アイスコーヒーは空になっていた。寂しいから渋谷まで行こうかと思った。人がいるところにいけば別の寂しさがやってきて、僕はそちらの方が好きだ。インターネットで絨毯を買った。僕の境界線から外側が世界の全てで、僕はそちら側にはついにはいけず、永遠に皮膚の内側だけで完結し続ける。事が起こっているのは外側、街の灯のその奥なのに、僕は少し柔らかい気味の悪い境界線から出る方法を知らない。フロアで踊る全員も、僕にとっては世界そのもの、彼らにとっては内に続く孤独。

内臓と脳みそ取り出して骨を砕いても見つからない宇宙