DIARY

パラダイス銀河

- 朝起きる。ベッドに座る。タバコを巻く。火を付ける。冷蔵庫を開ける。ヨーグルトを出す。湯を沸かす。コーヒーを入れる。ビタミン剤と諸々を飲む。シャワーを浴びる。歯を磨く。準備。フランス語の基本会話集を読む。ちょっとだけ楽しい。Ces't la vie 

 - 歩く。コンビニで紙パックのビタミン飲料か青汁豆乳を買う。電車に乗る。青山に着く。広い倉庫を借りた。真っ白い空間。何もない。文章をかく。

- 喫茶店。550円のニレブレンド。持ってきた本を開く。「地図と領土」。二杯目。飽きてきて、店内を見る。等間隔の陶器。季節の植物。

フランス語をちょびちょびやっている。楽しい。Ces't la vie 

- 曇り。陽が白くて憂鬱になる。カラーレンズ入りのメガネか、サングラスを買う。ついでに地味な指輪を買った。

- 友人宅。電子ピアノをもらう。車がないので車を買う。車で電子ピアノを運ぶ。二輪車の免許を取る。オートバイを買う。楽器屋に向かってリバーブのペダルを買う。ガラスケース。トランペットかサックスか迷う。トランペットを買う。やっぱりサックスも買った。ここで夕方。

- 代官山。ジム。一通りやる。フォトショップで加工したみたいな体になっている。背中の斑点。プール。1キロ泳ぐ。備え付けのサウナで5分。シャワーを浴びる。

- 渋谷。紹介されたマッサージ屋。カイロプラクティックもどき。リンパ。パック。青汁。帰りにコンビニで炭酸水を買う。

-ドラッグストア、背中の斑点の薬を買う。漢方やら、健康サプリを買う。トイレットペーパー。GABA入りチョコレート。

- 銀座。専門店で香水を買う。石鹸か名前も知らない木の香り。迷って木の方。

-スーパー。加工食品をカートに入れて、思い直して戻す。体に入れる物は大事だ。喉に筋肉があることに驚く。外部、吸収、反応という流れを意識したら奇妙な気分になる。購入品は野菜一式、鳥もも肉、牛乳、チョコチップクッキー、ワイン。

- 帰宅。洗濯。掃除。掛け布団と毛布一式をクリーニングに。食器を洗う。しまう。コーヒーを入れる。タバコを2本吸う。自慰行為はしない。昔のノートを見返す "新しい経験。新しい知。テーマの広がり、作品の可能性。マテリアルの感触"

-インターネット。sns。映画をみる。モチベーションがやってきたりこなかったりする。やりたいことを書き出す。いくつかの手法。彼女が関わってる人間と、彼女のような人間が関わるであろう人間の職業を書き出す "モデル カメラマン スタイリスト ヘアメイク 事務所 クラブ dj アーティスト バーテンダー 客"

-昔の友人と会う。お酒を一緒に飲む。暗い店内。カウンター。僕の話を聞いて、よく笑う。僕は話を聞く。目を見て話す。友人の家に向かう。広い、広い。デザイナーズのメゾネット。2回部分が寝室になっている。ありきたりなセックス。酔いが覚める。炭酸水を飲む。シャワーを浴びる。ベランダでタバコを吸う。東京タワーが見える。車の鍵を借りる。古いbmw。彼女を迎えに行く

-広尾。彼女をのせる。ドンキホーテ。アダルトコーナーでコスチュームと諸々を購入。帰宅。セックス。アブノーマル。買った衣装。アナル。シャワーを浴びる。足にクリームを塗る。車。代官山に向かう。タバコを吸う。百科事典と宇宙図鑑、それから物理学図鑑を買う。

-知人のところへ向かう。原宿。タトゥーを入れる。自分のイラストが採用されている。

-古本屋へ向かう。数学についての本を2冊買う。丸の内へ移動。帽子を買うため。途中の道でデカイ犬を連れた人たちを見た。

-帽子屋。採寸が終わって待っている間に終わりかかっていた「タタール人の砂漠」を読み終える。韓国と台湾、それからつまみ食いみたいにアジアの諸国を回ろうと思ったことをメモに書き込む。

-歯医者。歯の治療を全て完了。待合室の会話で、日本の男は女に困ってる感が半端ないと韓国人の女性二人組。外に出て父親に電話。覚えていないことで謝る。母親に電話。謝ってそれから諸々についての礼を言う。

-車に戻る。「正体不明な女、男にとって」と言う写真集のタイトルを思いつく。写真など撮ってないことを思い出す。素材文化歴史構造テクノロジーとレシートの裏に書いた。

-カーステレオでジュリーロンドンが流れてくる。サンフランシスコの夕方。乾いた空気と高い空。なんとなく心踊る異国を思う。ロシアンヒルで朝方喫茶店のテラス席でコーヒーを飲んでいた人を思い出す。必ず帰ろうと心に決める。自慰行為を全くしていないことに気づく。肌がツルツルしている。

-家具屋。ダイニングテーブルセットの注文をする。納期は2週間後。でっち上げられた不老不死の方法を動画サイトに投稿していた人のことが突然頭に浮かぶ。

-夜。家に戻る。着替える。ドレスコードがあるなどと言っていたので。そのままタクシーで麻布まで向かう。1340円。ビルの一階に背の高い女性二人と男性3人。名前を告げるとエレベーターまで案内される。彼がそのまま26階のボタンを押して、にっこり笑って扉がしまる。禁煙の文字がないのでタバコを吸う。フロアに着くと、大理石が広がる大きな空間に、重低音の音楽、100人弱ほどの人間。部屋の一番奥の照明が、青から黄色、ピンク、緑と2秒間隔ぐらいで変化していた。聞こえてくるのは、アート、起業、ビジネス、斬新なモデル、ブランド、ショー、演出、デザイン、フラフィック、アートディレクション、映画、映像を撮る、写真、本、演技、役者の名前、という単語だけだった。隣にきた人が「俺はみんなにモテる、海外でもクラブに行くんだ。街を歩いたってモテる。早く行きたいね、また。ヨーロッパに行って、アメリカ、アジアにも行くぜ。」と焦点があってない目で僕にいう。「大学に戻るだって?あの空気。金を儲けるのさ。絶対いかなあかん。パリやパリ。」「才能があって、英語も話せて頭もいい。物覚えも要領もいい、どこでもやっていける。エネルギーと持続、我慢と飛び込み、大きな視野が大事だよ。」

僕は話しかけてくる言葉に相槌を打ちながら人混みをかき分けて、フロアの奥の方に進んだ。