DIARY

パラダイス銀河

美しいものは何も訴えかけてこない。それ以外の全ては、騒がしく、要求する。語りかけてくるものはいつだってそれ以外で、僕たちは叫び声から遠くに行かなければならない。美しいものは、所以を話し始めたりはしない。ただ静かに、そこにいる。何かを理解しようと躍起になる必要なしに、受け取ることができる。美しいものに対しては、一方通行が許される。それ以外では、たちまち衝突を起こしてしまう。

これまでの関心ごとを消し去ってくれるような形。音、リズム。肌触り。神秘は身近にある。血眼で街の景色を眺めたり、人混みで沈んだりする必要はない。それらはこの世界に散らばったり集まったりしていて、人々は通り過ぎる。本当のものに触れると、美しさは始まる。騒がしいそれ以外はもう邪魔をしなくなる。ただ沈黙だけを探している。無理やり見つけ出したものではなく、自分自身など存在する以前からここにある理由と行為の末端が、今でも静かにこちらを見ている。ただその中へ沈んでいく。