DIARY

パラダイス銀河

駅の終わりから始まるスプロールに訪れるしじまのなかで、子供達の声がする。かくれんぼ。隣の部屋からはピアノの音が聞こえてくる。左手の練習。

この空っぽには内容がある。この空虚は満たされている。何も入っていない箱の中に何も入っていなければ、僕たちは何も考えない。空箱の中に、何かが入っている。毒リンゴを人は疑わない。よく笑う神父を人は疑う。

何もないから辛くなっていたのではない。何もないところで何かを感じる。

何もないところで何も感じなくなる。ここからだという気がしてくる。最初の一手が思い浮かばない。会心の一撃は、相変わらず空を切るのだろう。