DIARY

パラダイス銀河

冷蔵庫を開けて見ると何も入っていなかった。「何も」というのは文字どうり何も、氷一つも調味料も何もなく、中の照明は空の冷えた箱を照らしているだけだった。午前3時に家を出るときはドアをゆっくり閉めたり、丁寧に歩いたりする。スクールゾーンと書かれた坂を登ると、コンビニが見えてくる。頭の上には電線が走っている。原始時代のことをなぜか考えて、宇宙のことも考えたり、小学生の自分と何も変わらないなと格好悪くなった。板チョコ二枚と缶ビールを買った。トマトを買おうと思ったのに、売り切れていた。夏は終わったのだ。