DIARY

パラダイス銀河

うっすらと気分を悪くして街を歩く午前には、不感症の目線がある。誰だって孤独だ。誰だって虚ろだ。もう見れないかつての風景。髪を切ったことは死んだあと知らない誰かの口から聞いた。ポジティブな歌詞と、人生を肯定する夏のお祭りと、昔に死んだ友達と、それらが放つ同じ匂いと。季節が視界を回す。すべて、理解を遠くに残したまま生活をひきずる。曲がり角を曲がれば新しく、同じ道を帰れば新しく、ビルを登れば新しく、奥歯で噛めば新しく。今は何かのピーク。もう一人の、もう百人の、どこか遠くにいる僕が今を真夏と呼び真冬と呼ぶ。ちょうど真ん中、どちらともつかない季節を、混じり気のない形容をするそんな世界のこと。言葉は虚しいか。世界は虚しいか。生活は虚しいか。虚しいは虚しいか。果てし無く広がっている閉鎖的な重さ。知らないことは妄想になるのか、あらゆる幸せは吸い込まれてなかったことになるのか。