DIARY

パラダイス銀河

知人と安いご飯を食べていると、なぜこんなにも退屈なのかという話になった。色々理由は出てきた。死が遠くてとても近いなどと思春期みたいな所に責任転嫁が走り始めた頃合いに「見た目がアレだからじゃない」という話になった。よく考えると地味である。長く黒い髪、黒い服、黒いメガネ、黒いピアス、180cm60kg。あまりにもいさぎよすぎるということで、ここを崩してふわふわとしてみようという今年下半期の目標が唐突に決まった。ということで今週、パーマを当てて、ブリーチを3回ほどしてグレーになった。クリアフレームの眼鏡を買った。次はタトゥーを入れるという話なのでお金を稼がないと。職場はまあどうにかなるだろう。5センチくらいの厚底のブーツをもらった。ピアスも派手なシルバーのやつをつけた。街を歩くと視線が痛い。これは気のせいとかなんとかのレベルではなく、はっきりとジロジロ見られている。確かに少しずつ退屈でなくなってきた。朝になると大きな虫になっているほどの変化はないけれど、関わらなかった種類の人たちに話しかけられたし、少しだけ予想していた職場をクビになるという事態も無事起こり、すっかり無職で清々しい気分だ。不思議。退屈じゃない。山と積んであった本も全て捨てて、トイレに置いてあったパンセだけが手元に残る。都内で見かけたら話しかけください。時間は腐る程あるし、時間が腐るとどんな匂いがするのか気になっています。