DIARY

パラダイス銀河

#065

壁に並んだ空き瓶を眺めている。確かに僕は今に生きているのにまるで過去を見ているような気持ちでそれらを見ている。まだ過去になっていない現在を、失った優しい生活が目の前にあるかのように見ている。現在の形式が追憶に変わるそのつなぎ目に僕は生きているそんな気がする。過去になるギリギリの瞬間に、手放すのを惜しむように眼前の風景を捉えている。過去はどこにも無い。現在にある過去の痕跡に僕たちはノスタルジアを感じる。