DIARY

パラダイス銀河

#056

すごい大きさでイヤホンから音楽が流れているのに、聞こえてこないのは他のことを考えていたから。いいや、コンピューターの角を見つめたまま何も考えていない。

僕は、根本的な部分で何もしないこと、ただ絶望して朽ち果てていくことだけが正しい、その受け皿に甘んじている。僕が何もしないのは、何かみんなが知らないことに気付いているからなのだと。そう言うのが一番苦手なのに多分、どこかでそれを後ろ盾にしている気がする。気がするのだから多分そうなのだ。

僕の怠惰は正しくないのか。何もしないことは罪なのだろうか。何もせずにいられるから何もしないのだけれど、空っぽなのだ。反応が集合している。しかし外に出れば僕を惹きつける現実の立体感がある。

傲慢だし憤怒はそんなにしないけれど嫉妬は多少するしどこまでも怠惰だし強欲なのは言うまでもないし暴食とはいかないまでもたくさん食べるし色欲は抱えきれないほどあると思う。

堕落していく。大罪を犯す。そんなことはない。僕は何も変わらない。罪もクソもあってたまるか。僕は何もやりたくない欲を満たし続ける、一番単純な欲を埋め続けることで死までの時間をつなぐ。快楽で人生のことなど忘れてしまうのだ。よく考えれば後も先もない。いつだってこの瞬間だけがあって、ここで生まれてここで死ぬ。今にずっと溺れてさえいれば余計なことは考えずに消えていける。