DIARY

パラダイス銀河

#054

かっこいい出だしの言葉を昨日の夜思いついていた気がするのに全然思い出せない。

今の状況やら考えていることをだいたい一括りにしてくれるしてるような簡潔なセンテンスは、現状をさくさくっと整理して、僕を次の段階へ優しく流してくれたりする。

アジアンカンフージェネレーションっぽい音楽を聴きながら読んで欲しい感じの文章を書こうとしていたのだけれど、どうだろう。さっぱり思い浮かばない。記憶を遡ると、それぞれのシーンそのものよりも、その時間一緒にいた人間を思い出すことが多い。その人物を分岐点に過去が少しずつ解けていく。

現実を雰囲気に任せて具体的なことを何もしない。具体的に動けばもっと具体的になる。具体的な現実はとことん現実なので、雰囲気がない。雰囲気がない生活は町から雰囲気を奪うし、午後4時の日差しとかも全然雰囲気がなくなる。具体的に忙しくなってくる。具体的に生活している。なんとなく気持ちよくはなれない。具体的に気持ちよくなるしかない、そんな風になる。

具体的なイメージが生活の四方を囲む。具体的な僕の体は具体的に死に向かう。死ぬと具体的な物質名に分解されて、僕は具体的な世界の具体的な一部分になる。

具体的な由縁を失って彷徨って、僕は今日も今日を垂れ流す。