DIARY

パラダイス銀河

#052

マリリンモンローのほくろとちょうど同じ位置にニキビができたけど一つも嬉しくない。僕は男だ。チャーミングもへったくれもない。生活リズムが逆転し始めたので色々考え始めることができるかもしれないと少しだけ期待している。

冷蔵庫の中身が空っぽになっている。1ガロン1ドルの水ももう底をつく。

嫌われない別れ方を勉強しないといけないと思った。女性のビンタは意外と痛い。けっこう後からくる。いろんな意味で。

フィルムを切った貼ったしているうちに日が暮れてくる。楽器を弾いたりタバコを吸ったりして時間を潰した。現像室に半日もいると瞳孔は開きっぱなしになる。過去にシャッターを押した瞬間が浮き上がってくるけれど、その時僕は何を思ってファインダーをのぞいたのか、僕は何か意味をそこに見出したのか、とにかく感情に起伏をもたらした瞬間だったのだろうけど、思い出せない。恣意的だったメッセージは時間とともに消えて、結局思い出せないないままになる。それでも得体の知れないモヤモヤを感じるものだけ現像する。僕の中で気持ちのいい比率、組み合わせ、動き、それを集めたり再現することが芸術活動ならば僕のしたいことは芸術ではないと思う。