DIARY

パラダイス銀河

#070

昔読んだ本の冒頭で、大切なことは二つだけだという一文があった。それはきれいな女の子相手の恋愛、それからある種の音楽だ。他のものは消えていい。なぜなら醜いからだという。 破壊に至る過程こそコインの表裏のように快楽に面している。それは些細な衝動…

#069

カタカナの多い話。 あいも変わらず喫茶店にいく。3ドルコーヒーといっぱいのおかわり無料。右斜め前に座った小太りの若者、おそらく20代半ばの男にニーハオと声をかけられる。僕は中国人じゃないし中国人に間違えられるのがとんでもなく嫌いだと言ってそれ…

#068

ヘッドフォン。音量をあげると、自分の体の音が聞こえなくなる。足が地面につく音、骨が軋む音、服がこすれる音。うるさい音と視点だけ。 書くことが本当に出てこない。でも寂しさを紛らわしたい。 夕方。午後4時以降から7時くらいまでの時間は街が一番綺麗…

#067

喫茶店でクリスマスセールのチラシを広げているおじさんがなんとなく目に入ってチラッと横目で見ると広告の裏側にアサルトライフルらしきものが聖夜に半額で売り出されることが書いてあって思わず吹き出しそうになった。シニカルな組み合わせもここまでくる…

#066

ハードボイルドと呼ぶには甘すぎる形容詞が並んだ文章を眺めているうちに日が沈み始めた。湿った枯葉の上を歩く老人が履くコンバースが妙に目を引いた。誰もいないカフェには、迷いのない和音から始まったメロディーが流れている。時代も場所もわからないと…

#065

壁に並んだ空き瓶を眺めている。確かに僕は今に生きているのにまるで過去を見ているような気持ちでそれらを見ている。まだ過去になっていない現在を、失った優しい生活が目の前にあるかのように見ている。現在の形式が追憶に変わるそのつなぎ目に僕は生きて…

#064

長い時間をかけて穴の形を正確に描き出したからと言って、それは穴を埋めることとはまったく関係がなかったのだ。緻密に解析して小さな凹凸も見逃さずその穴を捉えても、そこに穴があることは変わらず、それを埋められない自分は何も変わっていない。絶望の…

#063

眠ってしまうには惜しい夜を過ごしている。特に何かが起こったと言うわけではない。まだ行ったこともない場所会ったこともない人々を愛おしく思ったりする。酔っ払ってはいない。古い本屋によった。ヘミングウェイの「移動祝祭日」を買った。ロストジェネレ…

#062

マフラーをぐるぐるに巻いた女子高生の影のシルエットがロシアの人形にしか見えなくなってきたところで電車が到着した。黄色い線の内側までおさがりくださいのアナウンスが妙に反響している。都会の駅には飛び込み防止のホームドアが設置されているので黄色…

#061

欲を満たすことが人生の代替物となって憂鬱から僕を遠ざけてくれることを期待してもそれはおとぎ話よりも地に足が付いていないたわごとなのだ。なんとなくぐったりしている精神に具体的な処方箋が効いた試しがない。あらゆる行為は途中で目的を失って、僕は…

#060

裏通りに散らばった水たまりが景色の所々を切り取っている。自動販売機まで傘をささずに歩いたら思いの外濡れてしまった。ダイエットコーラを2本買う。パッケージのデザインがオリジナルよりちょっとだけかっこいい。コーラを死ぬほど飲んでも死なない。コー…

#059

僕は人生を無だと信じることはできない。美とランダム。

#058

自殺の森で生まれた老人。曇った目をしている。 コメント欄に、イタリアより愛を込めてと書いてあった。 自殺の名所なるところで未だに自殺する人がいるのは、やはり寂しさからではないか。生者の僕たちは不気味に思うけれど、自殺をこれからしようとする人…

#057

ドラッグはやらない。でもやっている人をたくさん見る。 みんな生きるのが辛い。当たりまえのように辛い。みんな辛い。だからみんな頑張らなくてもいい。幸せなことは味わおうと思った瞬間には消えている。臓器に絡みつくような苦しみだけが後に残る。恍惚な…

#056

すごい大きさでイヤホンから音楽が流れているのに、聞こえてこないのは他のことを考えていたから。いいや、コンピューターの角を見つめたまま何も考えていない。 僕は、根本的な部分で何もしないこと、ただ絶望して朽ち果てていくことだけが正しい、その受け…

#055

マイアミに行った友達が悪魔にあったと言う。大丈夫何もかもうまくいくと繰り返し諭されたらしい。 軽快な足取りで坂を下りていく。雨が止んで、真っ赤な傘は差さずに済んだ。誕生日にいつも行くケーキ屋さんが開店の準備をしている。トランペットのメロディ…

#054

かっこいい出だしの言葉を昨日の夜思いついていた気がするのに全然思い出せない。 今の状況やら考えていることをだいたい一括りにしてくれるしてるような簡潔なセンテンスは、現状をさくさくっと整理して、僕を次の段階へ優しく流してくれたりする。 アジア…

#053

難しいことはない。生きてみる。顔を洗う。メガネが曇る。 ブラインダーを引っ張り上げると昼の真っ白い日差しが部屋に差し込む。パジャマのままコーヒーを淹れる。袖にちょっとつく。洗濯しないと。ソファーに座るけど冷たかったので立って飲む。貰い物の観…

#052

マリリンモンローのほくろとちょうど同じ位置にニキビができたけど一つも嬉しくない。僕は男だ。チャーミングもへったくれもない。生活リズムが逆転し始めたので色々考え始めることができるかもしれないと少しだけ期待している。 冷蔵庫の中身が空っぽになっ…

#000 こんにちは

いつもてきとうにぶちまけているこのブログだけれど、アクセスログが0ではないからある程度モチベーションを保つことができる。と言うわけでいつも来て頂いているみなさんありがとうございます。いやほんとに。 僕も結構みんなの記事読んでます。寂しさを紛…

#051

二重スリット実験から量子テレポーテーションの話。薄気味悪い遠隔操作とかなんとか。まあよくわからない。この社会を実際に作っているのはこう言う人たちなので任せる。アカデミックにいる連中に任せて、テレポートの装置が日焼けマシンぐらいの大きさにな…

#050

最近髪を染めたらしいけれど、前の真っ黒な髪がすごく似合っていたのでなんだか残念だった。しかし僕は今度黒に戻した時に明るい色のこの人を惜しんだりするのだ。どこかで必ず終わることは明らかで、それでも今この瞬間同じ時間を過ごすというのはどいうこ…

#000 何も知らない 

何か勘違いしている。 個人経営の喫茶店。古いジャズが流れている。古い友人と新しい友人。数人で話をした。話をするといつも周りの反応に違和感がある。細部まで専門的に、科学や学際的な知識をもってその上で結局は何もわからない的なことを言っているのだ…

#049

それはいわば降伏の証なのだ。僕は白旗を振りながら景色を見ている。 虫の息程度に僕の中で理解への欲は流れている。確かにまだある。しかしもうそれに固執したりすることはない。僕はそれを数ある一つのファンクションとして、ただ受け入れている。生殖を諦…

#048

何もかもをめちゃくちゃにしてしまいたいと言う衝動に襲われる。襲われている。人間関係も、社会的ななんとやら、知らない。腫れ物を触るように大事に人生を扱ってきたと思う。慎重に、間違った道を選ばないように後悔しないようにじっくり選んで決めていた…

#047

プラトニックなんてクソ食らえと朝の四時に叫びながらベッドに飛び込んだ。安いスプリングが軋む音が同情の悲鳴に聞こえる。僕はちゃんと話を聞いていた。日付が変わるちょうどその頃にノックもせずズカズカと入ってきた。 恋こそは他のいかなる世俗のものに…

#000 お家につくまでが、

久しぶりに遠出をした。 無数のジャンクションをくぐり抜け海まで。2005年あたりに流行った曲が車内で永遠とループしている。どうでもいい話などないし、大事な話もこの世にはないと思うのだけれど、それでもやっぱりどうでもいい話をした。チーズバーガーに…

#046

悪そのものなどというのは字面だけの話かもしれない。僕は生きている意味や物事や論説の整合性に全身全霊でシリアスになれるほど誠実ではないらしい。汚いものはできるだけ見たくない、弱い人間からは目を背けたい。矛盾しているようなものごとに関してはさ…

#045

今日は人生を進めるぞ!と思って掃除をして新しい服を着て外に出て、といい感じだったけど午後は人が来てセックスして終わった。全部どうでもよくなったりしてない。でもまた何にも進まなかった。シーツ変えてシャワー浴びて気がついたらまた日付が変わりか…

#044

3層の現実を感じる ある種のフォント、ある種の音楽。は一番表面的 ある種のフォント、ある種の景色は、その次。 長い時間かけて一つに触れていると、一番下にある層の現実が顔を出したりする。 ハイになるのはチーティング。