DIARY

パラダイス銀河

#000 Jazz

ジャズ。 牛や豚や鳥が焼かれて煮られて揚げられたりしている。通りは米と野菜でごった返している。変わった匂いがする。喉がキュッと締まるような匂いがする。汗をかいた大男が何人も横を通り過ぎていく。暑い。ほとんどが男。視線がものすごい速さで流れて…

#042

ミニチュアダックスに異常に懐かれたり、急に胸毛が生えてきたりした。 起きてすぐ胸元をのぞいて見たらさっぱり生えていなかった。部屋には僕しかいない。妙に片付いている感じ。 「君は目からわらった方がいいね、うん。顔上半分引きつってるんだよ。」お…

#041(2)

人生のどこかに死のピンが必ず打たれることを考える。死ぬこと自体が不可解なのではなく、死までのこのギャップの正体こそが僕を捉えていたものだと言えるかもしれない。死は言葉と言ってしまえばそうなのだが、脳みそが止まるまでの期間はそこにあって、脳…

#041

I ain't give a fuck anywayと呟いて僕の顔を思いっきり殴った6.4フィートに街で偶然合った。大学一年の冬僕がそいつの彼女と寝たことがバレてアパートまで殴り込みに来た。ドアを開けた瞬間この男が何をしに来たのか一瞬でわかった。弁解などする余地はなく…

#040

JPOPのオルゴールアレンジが永遠と流れている中華料理屋で、読み方もわからないような丼ぶりを指差して頼んだ。テーブルに敷かれた透明のビニールがウィンドブレイカーの袖にひっついたりする。奥の席に座る客の頭上で回る扇風機の風がギリギリ届いてこない…

#039

人間の数だけ差異があるし何もかも全くわからないという気持ちで朝を迎えました。いい気分ではない。死ぬまで納得できるはずはないのに、そのふわっとした把握だけを求めて生きている。シーシュポス。山の麓に来るたび、この過程には意味があると信じ込まさ…

#038

ところで今日は、"You're an earthly comfort" こういう表現に出会った。雰囲気。 暑さが少しずつましになってきて、空の青さが彩度を取り戻している。この一週間で世界がコントラストを無理やり上げた感じにえらく雑な作りだなと言いたくもなるけれど、涼し…

#037

考えるべきことは何か考えているうちに考えられなくなって、自分の人生は手のひらからこぼれ落ちて僕とは関係なく進んでいく。喜怒哀楽も、義務感で無理やり焚き起こしている感じがあるし、笑うべきところで笑って、泣くべきところで泣くという訓練をどこか…

#036

マリファナで少しハイになっているので書ける。書けるぞ。音楽はジョニーグルフィンのOlive Refractionsを大音量でかけている。音楽を聴いていても楽器一つ一つが独立して聞こえてきたり、ただのハンバーガーがめちゃうまく感じたり、セックスが異常に気持ち…

#035

欲を追いかけているうちにある種の感覚を忘れる。存在を疑ったり、生きていることがわからなくなったりすることが少なくなってくる。しかしまた、欲を満たす行為やあらゆる作業の先にその感覚が戻ってくる。というのを感じている。-

#034

本来進めるべき作業から逃げてキーボードをはじいている。そのうちにうまい言い訳が浮かぶのを期待するけれど、何もかもをやめることの正当な理由はいつまでたってもやってこない。 8月31日を過ぎても終わらない宿題を抱えたまま学校へいくことになった。僕…

#033

「ねえ、だから言ったでしょう。」 「いけると思ったんだよ今度こそは。」 「毎回言ってるでしょ、時間の無駄だって。」 「五階だとダメなのかな。」 「高さの問題じゃないのよ、あなたは三十階から落っこちても死んだりしないわ。三階以降は死に対して漸近…

#032

僕が狂わないのは、狂ってしまえないのは、夜寝て朝起きるから。今日と昨日が繋がっていないから。狂った夜のぼくは次の日また繰り返すまで、始まらない。リズムに飼いならされた僕の狂気は、幻想のまま終わる。全てのしがらみと嘘っぱちを引き剥がして、残…

#031

夜歩いてコンビニまで行く途中、僕の生活はこの先にある何か理想の生活や、そこにいる自分というのを目指しているということと、今現在しかありえないということを。変えるのは今この瞬間で、操作できるのも目の前の現実だけしかない。小学生の日記みたいな…

#030

全てがわからない。あいも変わらず、全てがわからない。わからない。わからなさがそれぞれ異なる色で目の前を行ったり来たりしている。蛍光色のわからなさがデスクトップの縁からやってきて、瞼を閉じても点滅する光はミゾオチまで落ちてきて、僕はまた気分…

#029

力が加わってこないのは、未練がないからだと思っているけど僕は、食事をして喜んだり、クーラーの効いたショッピングモールに入るたび緩んだりしている。黙っている。 アルコール。たまにいく店に入る。坂口安吾を読んでいる人がいる。キャスターを吸ってい…

#028

目の前のコップが目の前のコップであることにおいて混乱しないことと同じようには、僕の生活が僕の生活であるということで爽やかな一致感はやってこない。言語が正しく物事を記述しうる道具かを言葉によって議論することから一切の納得がやってこないように…

#027

もう少しで夜が明ける。寒い。 空港の椅子で寝るのはなかなかこたえる。軟体動物さながら体をくねらせて落ち着く場所を探したけれど結局ダメだった。ジーンズを床に引いて、圧縮袋に入った服を枕にして、空港の床で寝る。午前3時。フライトまでまだ5時間あ…

#026

アムトラックの列車に揺られながら遅すぎるインターネットの中をフラフラとしている。車窓から見える景色はここ2時間ほどずっと変わらない。時たま馬や牛が放牧されているのを見るくらいで、草木もなく砂漠の入り口にも似た殺伐とした風景がずっと続いている…

#025

嫌な夢を見たということしか覚えていない。嫌な夢を見た。右手が少し痺れている。 古本屋によってから、街の大きな本屋に行った。パエリアの作り方。スペイン料理の本を買った。大量の本が並んでいる。みんな黙ってはいられないのだ。 天気がいい。海が見え…

#024 Polka Dots and Moonbeams

Suddenly it's crossing in his presence, but it's gone as if naturally provided the fate toward disappearing. She could've understood if it was coming from somewhere she's familier with. Yes. Phenomena's flexibility counts on her interpreta…

#023

ロサンゼルスの空港はいつも混む。朝からだらだらしてしまって、ぎりぎりに家をでた。毎度同じ。僕は何をするにも初動が異常に遅い。生活に対する能動性が弱いのは、なんとなく今まで繋がっている習慣がよくないからだと思う。 国際線乗り場まで距離があるか…

#022

6月になって一週間が経った。 暑くなったり寒くなったり。ブラインダーを開けると朝っぱらから芝刈り機を動かしている男が見えた。うるさい。 大学の健康診断に行った。179センチ。伸びていた。最後に測ったのは高校生の時くらいで、確か175とかだった気が…

#021

誰かが「あなたは結局何がやりたいの」なんて聞くから僕はつい口を滑らせて、思っていることをちょっとだけ話してしまった。みんなの表情がみるみる変わっていくのを確認して、本当に思っていることなんて人に話すものじゃない、同じ轍は2度とは踏むまいと…

#020

もろもろの哲学は、いずれどこか遠くへ行ってしまう。 おだやかな絶望を見ている間だけ、生活にむしろ意味は宿る。 ホームレスバンドが地下鉄で演奏しているのはマイルスデイビスの"Four"という曲だった。僕はイヤホンを外してしばらく耳を傾けた。濁った和…

#019

音楽が耳障りで仕方がないけれど、体に力が入らないのは僕だけじゃないらしく誰も止めようとしない。流れるように過ぎていく街の景色が時間に追いつかず、抽象へと引きずられていくのを窓にもたれ掛かりながら眺めている。僕は夢を見ているのだ。 ブルックリ…

#018

一人の人間が死ぬ時、近い人間が死ぬ時、その人の表情やそこを覆う景色を 例えばその人がこぼした一字一句も全部、忘れないように書き留めたりする。僕はその人の痕跡を残そうとしている。 口角がだんだんと下がっていくのを見ている。目尻が細くなって、表…

#017

空のビール瓶を通って彼女の体まで、太陽の光が届いている。 明け方なのか、夕方なのか。青のカーテンが揺れている。 ずっと前にこぼした言葉が僕を通り抜けずに残っている。 「君は自分の中に溜まったものを切り売りしている。それはいつか底をつく。」 そ…

#016

いつの間にか考えることをやめる。やり尽くしたという感じではなくて、見失ったといったほうがいいし、初めから真っ当に考えられることなど無かったというべきかもしれない。とにかく、問いの螺旋から降りてしまった僕の世界には、ほとんど何も残っていない…

#015

晴れ。僕がいるところから雲は一つも見えない。 部屋の窓からは木漏れ日が落ちている 。 先のことばかりを考える。いつか訪れるはずの理想的な時間のために現在を耕しているという認識が僕を慰めたり、ゆるい幸せをちらつかせたりしている。お宝は今この現在…